Q GRADER

"Qグレーダー"とは

日本では単に「Qグレーダー」と呼ばれることが多いですが、正式には下記の2種類があり、CQI〔Coffee Quality Institute〕が認定したアラビカ種/ロブスタ種のコーヒー豆の品質を評価する国際的に認知されたコーヒー鑑定士を指します。

CQI認定Qアラビカグレーダー:アラビカ種コーヒー豆の鑑定士資格
CQI認定Qロブスタグレーダー:ロブスタ種コーヒー豆の鑑定士資格


資格の有効期限について

Qグレーダー資格は、初回のQグレーダー試験(全20科目)を受けた日から3年間(36ヶ月)有効です。これは初回の試験に合格した場合にも、リテイク期間にて合格した場合にも同様です。Qグレーダー資格を維持するためには、キャリブレーションテスト(資格更新試験)に合格する必要があります。

例)2023年5月1日〜6日開催のQグレーダーコース(5月6日が最終試験日)を受講した場合:2026年5月6日までが有効期限

試験概要

General Coffee Knowledge

さまざまな分野においてコーヒーに関する一般的な知識を問うマークシート式の試験です。100問を60分で解答します。


Sensory Skills

味覚の試験です。コーヒー液は使用せず、それぞれのコースで下記溶液を単体または混合して用います。各溶液の濃度レベルは3段階あり、2試験(①各溶液の濃度順の並び替え ②各溶液の混合液に含まれている味とその味の濃度レベルの違い)実施されます。

  • Qアラビカグレーダーコース:甘味/塩味/酸味
  • Qロブスタグレーダーコース:甘味/塩味/酸味/苦味


Olfactory

嗅覚に関する試験です。コーヒーに含まれることが多い36種類の香り(アロマエッセンス)を識別します。香りのグループ毎に分けて4試験実施されます。ロブスタコースとアラビカコースで、使用されるアロマエッセンスの種類が異なる場合もあります。

  • Enzymatic
  • Sugar Browning
  • Dry Distillation
  • Aromatic Taint


Flavor Standards

フレーバーを識別する試験です。コーヒーに含まれる可能性がある14種類のフレーバーを、Qグレーダーとして認識できる能力があるかテストします。

Floral, Fruity, Molasses, Vanilla, Almond, Warming Spices, Bitter, Phenol Defect, Under-Ripe, Musty, Papery, Potato Defect, Sour


Triangulation

1つのトレイ上に並べられた3つのカップから1つだけ異なるコーヒーが入ったカップをカッピングによって識別する試験です。トレイは1試験に6個あります。精製方法や産出地域のグループ毎に分けて4試験実施されます。

Qアラビカグレーダーコース:①Mild ②Africa ③Natural ④Asia
Qロブスタグレーダーコース:①Latin America ②Africa ③East Asia ④Indonesia


Organic Acid Matching Pairs

下記4種類の酸を添加したコーヒー液を、カッピングを通じて識別する試験です。1つのトレイ上に並べられた4つのカップから酸が添加されたものを選び、その酸がどの酸であるかを解答します。トレイは1試験に8個あります。

  • クエン酸
  • リンゴ酸
  • 酢酸
  • リン酸


Roasted Sample Identification

Qアラビカグレーダーコース
1つのトレイ上に並べられた3つのカップから、1つだけ異なって焙煎されたコーヒーが入ったカップをカッピングによって識別する試験です。焙煎はSCA基準ロースト、ライトロースト、ベイクドロースト、ダークローストの4種類があります。トレイは1試験に6個あります。

Qロブスタグレーダーコース
テーブル上に並べられた6検体の豆が、それぞれどのように焙煎された豆かを識別する試験です。見た目、粉砕音、液体の色、味わい等から判断し、判断理由も含めて回答します。焙煎はCQI・UCDA基準ロースト、ライトロースト、ベイクドロースト、ファストロースト、ダークローストの5種類があります。


Green Coffee Grading

与えられた生豆(350g)に対して、SCA(アラビカコース)/CQI・UCDA(ロブスタコース)が定めるディフェクト豆を見つけ出し、その種類ごとに定められたディフェクト豆の個数に対する欠点数を計算、コーヒーを等級付ける試験です。


Roasted Coffee Grading

与えられた焙煎豆(100g)に対してクエーカー豆を見つけ出し、その個数によってコーヒーを等級付ける試験です。


Cupping

SCA方式(アラビカコース)/CQI・UCDA方式(ロブスタコース)に基づき、カッピングを通じてコーヒーの官能評価をする試験です。精製方法や産出地域のグループごとに4試験実施されます。

  • Qアラビカグレーダーコース:①Mild ②Africa ③Natural ④Asia
  • Qロブスタグレーダーコース:①Latin America ②Africa ③East Asia ④Indonesia

リテイク(再試験)期間・登録

受験可能期間

初回のQグレーダー試験(全20科目)が不合格だった場合、不合格の科目を各2回までリテイク(再試験)することができます。受験可能期間は、試験を受けた日から18ヶ月以内です。

上述の期間・回数以内に全20試験を合格した場合、初回のQグレーダー試験を受けた日から3年間(36ヶ月)資格が有効となります。

上述の期間・回数以内に全20試験を合格することができなかった場合は再度Qグレーダーコースを受講することになります。


例)2023年5月1日〜6日開催のQグレーダーコース(試験最終日:5月6日)を受講し、全20試験のうち2試験不合格の場合

  • 2023年11月6日までに、不合格だった2科目をリテイクする。
  • 全試験合格した場合、2026年5月6日までがQグレーダー資格の有効期限。


リテイク登録
  1. CQIウェブサイトを開く
  2. 「DATABASE」をクリックし、CQIにログイン(ログインID・パスワードは、Qグレーダーコースを受講すると発行されます)
  3. ページタブの「COURSES」をクリック
  4. 「Upcoming Courses」をクリック
  5. 該当する試験のIDをクリック
  6. ページ右上の「Reatake Test」をクリック
  7. 利用規約に同意する。「I agree」にチェックを入れ、「Retake Test」をクリック
  8. JCE担当者より、CQIに登録しているアドレスにメールが送信されます。

キャリブレーションテスト(資格更新試験)

受験可能期間

Qグレーダー資格を維持するためには、資格有効期限の前後6ヶ月以内にキャリブレーションテスト(資格更新試験)に合格する必要があります。キャリブレーションテストに合格すると、試験日から新たに3年間(36ヶ月)有効期限が更新されます。

キャリブレーションテストは2回まで受験することができます。

例)2023年5月6日までの資格有効期限を更新するためにキャリブレーションテストを受験する場合

  • キャリブレーションテストは2022年11月6日〜2023年11月6日の期間に受験可能。
  • キャリブレーションテストを2023年6月6日に受験し、合格した場合、2026年6月6日まで、資格有効期限が更新されます。

通常のCQIのキャリブレーションは試験のみの実施ですが、JCEでは原則として試験前日に開催される試験対策講習(無料)の受講を受験の条件とさせていただいています。

日々の研鑽による能力維持が求められるQグレーダーですが、独自の練習のみでカッピングの基準を保つのは非常に困難です。そのため、試験対策講習ではインストラクターと一緒に下記の確認をおこなう機会を設けています。

  • カッピング基準の確認
  • カッピングフォームの使用方法
  • ディフェクトの確認:Overfermentation, Phenol, Moldy, Potato
  • インストラクターによるフィードバック
  • コーヒー業界に関する知識のアップデート/トレンド確認
  • フレーバースタンダードテスト対策:Apple, Floral, Fruity, Molasses, Vanilla, Almond, Warming Spices, Bitter, Phenol Defect, Under-Ripe, Musty, Papery, Potato Defect, Sour

キャリブレーションにあたって無料で講習を受けられるのはJCE ATAMI LAB.だけです。貴重な機会を、ぜひ最大限に活かしてくださいね。


試験概要

Qアラビカグレーダーコース

  • カッピング #1:Washed Mild
  • カッピング #2:Asia or Africa
  • カッピング #3:Natural

Qロブスタグレーダーコース

  • カッピング #1:Latin America
  • カッピング #2:Africa
  • カッピング #3:East Asia or Indonesia
キャリブレーションテストの合否
  • カッピング3試験のうち、2つ以上の試験に合格する必要があります。
  • キャリブレーションテストは2回まで受験することができます。
  • 2回目のキャリブレーションテストが不合格だった場合、もしくは1回目の受験で3つのカッピング試験すべて不合格だった場合は、リサーティフィケーションテスト(資格回復試験)を受験する必要があります。

リサーティフィケーションテスト(資格回復試験)

受験資格

以下の理由でQグレーダー資格が無効となり、再度Qグレーダー資格の取得を希望する者はリサーティフィケーションテスト(資格回復試験)を受験することができます。

  • 期間内にキャリブレーションテストを受験しなかった者
  • 1回目のキャリブレーションテストに合格できず、資格有効期限の前後6ヶ月以内に再受験しなかった者
  • 2回目のキャリブレーションテストに合格できなかった者
  • 1回目のキャリブレーションテストにて、すべてのカッピング試験が不合格だった者


試験概要
  • Sensory Skills
  • Olfactory
  • Organic Acid Matching Pairs
  • Cupping(3試験)
  • Triangulation(3試験/Cupping試験で用いた同プロセス・産出地域)

以上の全ての試験に合格することでQグレーダー資格が回復されます。

全ての試験に合格できなかった場合は、不合格であった試験を再受験する必要があります。再受験に合格できなかった場合は、再度Qグレーダー試験(全20科目)を受験する必要があります。


お申し込み方法

通常のQグレーダーコースにておこなわれる試験への参加となります。

スケジュールをご確認いただいたうえで、お申し込みフォームよりお申し込みください。その際メッセージにてリサーティフィケーションテスト(資格回復試験)受験希望の旨お知らせください。